【書評】どうしても頑張れない人たち―ケーキの切れない非行少年たち2―

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日本の底辺層を如何に底上げするかを書いた本

青春18きっぷで旅をしている間にUnlimitedで売っていた、どうしても頑張れない人たち―ケーキの切れない非行少年たち2―という本を読みました。

こちらは底辺層の人たちの底上げについて、具体的に書いたものです。

結論は日本に住んでいる99.999%くらいの人、それよりもっと少ない人が底上げできる人だと思っていて、大半の人は「面倒くさいし、関わり合いたくない」と思うのが普通だと思います。

この本では底辺層の少年少女がメインで書いていますが、青年から中高年についてはさわり程度でほとんど書いていません。

昔でいうヤンキーをどう立ち直らせて、更生に向かわせるのか、その親のケアなど対処する大変さがよく分かる内容です。

そこには超短期的な思考しか持たない少年少女に対して、傾聴を中心に難しい魚を釣るように、色々な行為、言葉などをうまく使って心を開かせていく難しい問題解決方法を具体的に述べています。

神のような人でないとこういったことはできない

上記で述べたとおり、難しい魚を釣るのが趣味くらい辛抱強くないと大抵の人は投げます。

ここまで面倒くさい人を更生させるくらいなら、もっと他に時間を使いたいと思う人が大半ではないかと思います。

相手も自分を試そうとして、こちらの嫌がることをして本当に信頼できる人か探っているようなことを書いています。

自分も特別学級の人と小学生のときに一緒にいましたが、突然殴ってきたりするので相手にしたくなくなるのが普通です。

なのでこういったことを相手のために一所懸命にできる人は、神のような人でないと無理だと思います。

当事者の親も相当手をやかされて、心身ボロボロなのでこちらのケアもしなくてはなりません。

ここまで書くと親子で心身を更生させる、かつ自分自身がメンタルを病まないように辛抱強く長期にわたって活動するとなるとやっている人は、本当に頭が下がります。

支援する人が少ないので、浮上できる人はたかが知れているのが現実

このようなことをすること自体、自分自身できないしやれる人はわずかしかいない。

そして底辺でもがいている人は数多くいる。

普通に考えると更生して浮上できる人は、ほんの僅かしかいないのではないだろうか。

ただ社会心理学には更生した人の数が増えれば増えるほど、バブルのように一気に更生の波が来ることも事実。

基本的に自分を含めたネガティブ思考が蔓延している日本で、更生する人が一気に増えるのかは冷静に考えて微妙だと思う。

バブル期からの群衆メンタリティが、どのようにして負け犬根性に変わっていったのか?その経過が見てみたい。

そこにこのような問題の種は蒔かれているような気がしてならない。

まとめ

「どうしても頑張れない人たち―ケーキの切れない非行少年たち2―」には日本の暗部がはっきりと映し出されています。

ここを果たしてこれから数十年かけて、基本的にネガティブ思考の日本人が多くの人を更生させることができるのか、それとも強い群衆のネガティブ思考に叩きのめされてしまうのか。

それはこれから数十年かけて結果が出てくるはずで、更生させなければ日本は貧困国になるだけだが、果たして未来はどっちに向かうのか見届けてみたいと思う。

ご参考になれば幸いです。

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