【書評】働き方2.0 vs 4.0

書評
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世界で起こっている働き方と日本の働き方

世界で起こっている働き方と日本の働き方について、対比をしつつまとめた本になります。

結論は日本の社会システムは雇用含めて、問題が多いことを述べています。

しかしそれが諸外国の働き方と比べると、結構ましなことで大金を稼ぐなら日本ほどやさしいところはないと著者は述べています。

それは近年の超ハイテク化社会で、知識の階層化がくっきりと分かれているからです。

知能は科学的にかなり遺伝するという知見が積み上がっており、あとは環境の問題が多少あります。

しかし現在は遺伝と環境両方良いところを持っている人が、発言権があります。

その思想は人間は平等で、努力すれば大事を成し遂げられるというものです。

これが日本でも本を出しているアメリカの学者や、経営者も言っていることです。

ただこれらの人々は生まれ、育ちがベストなところにいる人なので、生得的な知能の差は埋めるのが難しい現実を、努力ややる気という言葉でカモフラージュしています。

これが著者が知識階層に嫌悪しているところであるとしています。

翻って日本の状況は、昔からある大企業は何でもこなすゼネラリストを育成しています。

これが日本のあらゆる職場で失態や、粉飾の発端になっています。

それは何でもこなすということは、逆にいうと広く浅く知っているだけなので、専門的な濃い部分に管理職が管理できないという問題を抱えています。

これに嫌気して専門分野に特化した、働き方を目指す人が増えていることが、諸外国と比べて今の日本にとって良い働き方だと著者は述べています。

では本のタイトルの働き方のバージョンとは一体何なのか?

次で解説します。

働き方1.0~5.0

タイトルは働き方2.0vs4.0とあります。

ではこのバージョンは一体何なのか?

これは本書の始めに載っています。

  • 働き方1.0:年功序列・終身雇用の日本的雇用慣行
  • 働き方2.0:成果主義に基づいたグローバルスタンダード
  • 働き方3.0:プロジェクト単位でスペシャリストが離合集散するシリコンバレー型
  • 働き方4.0:フリーエージェント(ギグエコノミー)
  • 働き方5.0:機械がすべての仕事を行うユートピア/ディストピア

タイトルの2.0は日本が今こちらに移行しようとしているという意味で、世界標準は4.0のことを指しています。

IT業界の画面まわりを作っている人にはわかりますが、画面のデザインなどはフリーエージェント化が進んでいます。

これが働き方4.0の事例です。

今この働き方も徐々に5.0に移行しようとしている流れになっています。

言葉を入力するだけで、人工知能がそれにふさわしい画像を作成するなどが良い例でしょう。(実際そういうサービスを提供しているところがあります)

働き方のバージョンがあがると、テクノロジーの進歩に人間が適応できなくなります。

そこで上記で述べた、適応できるのは遺伝と環境両方で良い思いをしている知識階層だけではという結論になります。

日本は世界標準から遅れているのは悪いことではない

日本の労働環境はどブラックと揶揄されています。

低賃金でサービス残業、有給は自由に取れないなどの環境のことをどブラックといっています。

ここで働くのはたしかに問題があります。

しかしこのようなムラ社会から外れて、自分の専門性ややりたいことをやる分には諸外国と比べて敷居が低いのも特徴です。

本書はこのムラ社会のことを、今のブラックな働き方につなげるためにかなり脱線しています。

つまり日本の社会は、スペシャリストやクリエイターなどが独立するのは比較的簡単な仕組みになっています。

ただゼネラリストや低所得者の嫉妬に、耳を傾けないというポリシーをもっているという条件付きですが。

まとめ

日本の職場環境の場合、大企業が無能なゼネラリストを育成しています。

これらの人がものづくりをすることはできないので、外注に出します。

そしてこの分野に強ければ、交渉次第でお金を大きく引き出すことが可能です。

そのため、上記で述べたとおり特定分野に強みを持っている人は、日本で高い所得を得やすい環境といえます。

ご参考になれば幸いです。

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