世論の常識と距離を持った心の持ち方が重要
今日はsorato著「12年苦しんだ不安症を完全完治させた方法2」の書評についてです。
結論は世論の常識をどれだけ真に受けないことができるか、という点につきます。
この世論の常識とは何なのかというと、
- 資本主義は努力こそが正義であるということ
- 人は平等からスタートするので、負けたら自己責任
この2つです。
1つめと2つめは密接に絡みついています。
努力というのは、色々な要素が絡み合って初めてうまくいくのであって、むしろ環境や遺伝によって出来ないことのほうが多いというのが現実です。
2つめは人は生まれたときから平等ではありません。
そもそも自己啓発本に載るような、スーパーエリートを育てるような親と、DV親では育つ環境が違いすぎます。
ここで2つの条件は他人と同じような、親や環境で育ったらと比較や願望を刷り込まれるよう世論にうまく操作されているという呪いの思考から、いち早く脱出するには比較をやめる必要があります。
著者は人との付き合い方が苦手、かつ奨学金の借金を背負っているという、常識からは社会不適合者と揶揄されるような人ですが、このような環境に自分が置かれた場合、どんなに自己啓発本を読んでも負のスパイラルに落ちてしまいます。
これを脱出する方法として、あるがままの自分を受け入れて、不安と同棲するという考え方にシフトチェンジしたということです。
常に比較される世の中で、この考えに至るのは至難の業であることは、自分も経験しているのでよくわかります。
不安に意識を向けすぎると負のスパイラルに陥る脱出方法
自分の性格と資産状況を内観すると、どうしても社会の常識で「人間はこうでなければならない」、「こうなった責任は自己にある」という声が響いて、不安が増幅することがよくあります。
そこで自己啓発本をたくさん読んで改善しようとするのですが、そもそも自己啓発系の本は不安を感じない人が、さらなる高みを目指すために書かれた本なので、社会不適合かつ資産状況が良くない人には悪化の原因になると著者は体験談として話しています。
そのギャップからますます不安は募り、ひどくなっていき逆効果だったそうです。
そこで解決したのは、現状をあるがまま受け止めて、不安に意識を集中させないことだと著者は書いています。
本文は色々な論文や本をベースに書かれているので、結構信憑性が高く自分も納得するところが多いです。
事例も多く交えて紹介しているため、わかりやすく読みやすいです。
まとめ
世論の常識から距離を置く、自分の性格や置かれている環境から自己啓発をやっても逆効果になる人もいるので、まずは不安とうまく共生して自分に優しくなるという訓練をするのが重要とのことです。
全部を自己責任にすると心苦しくなるので、社会や環境のせいにしてもなんら問題はありません。
そもそも努力正義や平等スタートも、陰と陽の側面があって陰の部分をカモフラージュしているので、そういったところにも目をやる必要があると著者は述べています。
これを克服するのは中々大変ですが、メンタル系に不安を抱えている方にはぜひ読んでほしい1冊になります。
ご参考になれば幸いです。
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