【書評】限界ニュータウン

書評
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千葉県の北東部と茨城県の鉾田市を中心とした旧別荘地の解説書

今回は吉川祐介著「限界ニュータウンー荒廃する超郊外の分譲地」を読みました。

千葉県の八街市より東に位置する、エリアと茨城県の鉾田市を中心とした旧別荘地について書いた解説書になります。

著者はブロガーかつYouTubeで、このエリアの現況を報告していたのが大手出版社の目に止まり、出版に至ったという経緯のようです。

筆者も八街市や香取市(佐原)、鉾田(大洋駅)にグルメで行ったことがあります。

そのときも結構過疎化が進んでいる印象がありました。

特に大洋駅は鹿島臨海鉄道の無人駅で、スイーツを食べに行ったことがありますがそこに行くまでの道のりは、草独特の臭いにおいがする古い道路を歩いて行ったので、雰囲気はなんとなくわかります。

結論はこのようなかなり過疎が進んでいる土地に住むには、お金はほとんどかからないらしく、ただし荒廃が進んでいるので、DIYが得意が適正ある方は住んでみるのも一つの手です。

多くの人にはオススメしません、という内容です。

バブル時代の不動産販売方法のずさんさもわかる内容

2023年現在40歳未満の方は、バブル景気(1980年代)を知らないと思うのでこの本に書いてある不動産屋の土地の売り方を見ると、辟易してしまう内容になっています。

近場の別荘地として売りに出したものの、元々は不動産値上がりを目論んだ投機目的で開発が進んでいて、それがバブル崩壊とともに当時の所有者は法人は解散や休眠会社に、元々の所有者も遠く離れた東京や大阪の人が買っていたので、40年経過した現在連絡が取れないということもしばしばあるのだそう。

それにしても当時から不動産屋は、投機目的で売らんがなで広告がどう考えてもおかしい表現になっているのには驚きました。

今この広告を見ると誰が買うの?という内容になっています。

登記者が行方不明や大きな損切をしたくないという理由で持ち続けているということで、水道などのインフラも放置し放題、自治体も手に負えない事態に陥っているということです。

こういった土地に住むにはDIY力が必要なのではという気がする

当然荒廃した土地なので、住民は少ないのですが、家との間の距離が離れているため、近所に気を使う人には適正もありますが、気楽に住めるという事例も紹介しています。

しかし総合的にみてこういった土地に暮らすのは、DIY力が必要なのではないかという気がします。

事例の紹介では、YouTuberや都会の生活に馴染めない人を取り上げていますが、人に気を使うのに疲れている場合は自分自身の能力にDIY力があると確信できる人でないと、住むのは無理という気がします。

とはいえ将来の年金と都会の賃貸暮らしを考えると、仕方なしに来る人もちらほらいるようです。

著者もこのようなところに住むのはおすすめはしないが、適正のある人はリスクを紹介しているので、それを承知で住むのがよいと述べています。

まとめ

バブル期の将来性が無いことをわかっての投機用不動産の販売。

それが40年経過した現在、DIY力がある人で周りの目から離れたいと考えている人にとっては、ひとつの選択肢として千葉県や茨城県などに格安で物件を買うという選択肢もありだという、新しい考え方に納得しました。

このあと、某大手不動産会社の戸建て販売価格を見てみたところ、茨城県の大洋駅から徒歩30分のところに200万円で販売されていたので、この本に書いてあることはあながち嘘ではないと納得しました。

確かにちょっとした別荘としてなら良いかもしれませんが、DIY力がない筆者にはその選択肢はないものの面白く読ませていただきました。

ご参考になれば幸いです。

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