【書評】ホワイトカラー消滅

書評
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グローバルで働く人の大勢は決しているので、ローカルで勝負もあり

冨山和彦著「ホワイトカラー消滅」を読みました。

内容は若手のやり手経営者がターゲットで、サラリーマンにはあまりピンとこない内容でした。

しかしマクロ経済で見た場合、グローバル企業は少数精鋭体制になってきており、ここにポジションを置くのは相当レベルの高い人でないと、勤まらない状況になってきている現状を述べています。

それに対して、大都市圏以外のローカルはまだ改善余地が豊富にあるので、ここで起業して勝負をかける人が少しずつ増えてきていることも述べています。

現在日本が抱えるマインドセットや、環境についても色々提言していて、読むと自分の置かれている立場をマクロ経済から考えて、今後どうするのかを見直す良い本だと思います。

Xのポストや他の人の著書は、日本はもうダメという諦念論と、著者のような人口が少し減った今の状況くらいがちょうどよく、今がどん底なのであとは上昇しかない的思考の2つの考えが世論を分けているのも面白いです。

ローカル経済についての疑問

ローカル経済について、成功事例を色々提示しています。

しかしローカルの度も影響していて、筆者はムラ社会の度が進んでいるところはネガティブ論を支持します。

著者の記述もローカルと言っている経済圏は、県庁所在地やそれに匹敵するローカルの中でも大都市を指していて、もっと過疎化が進んでいてかつ昭和から続くムラ社会から集団思考が変わらないところは、どんどん衰退が進んでいくと筆者は見ています。

自分自身半世紀近く生きていて、そういえば若い人は地方出身でも都会に行くのはよく見るが、ローカル経済圏で働いている人が、勉強のために都会へ武者修行に出るという現象をあまり見たことがない気がします。

これが停滞30年の正体ではないでしょうか。

日本人は超細かい作業が得意?

著書は日本人の得意技は、細かい作業が得意でそこに付加価値をつけて世界に販売するのが得意とのことです。

しかしそんなに細かい作業ができる人は、限られているのを現実で見ています。

なぜ細かい作業が得意な人が多い民族なのに、ITのような超細かい仕事が他国と比べて劣っているのか?

某自動車会社のような経営者のような人が多い=仕事がザルな人が多いとも言えるのではないでしょうか?

当然超細かい作業ができる人がいることも認識していますが、それを上回る上記のような人が細かい作業ができる人を駆逐しているのが今の日本という気もします。

学校のあり方を変える必要性

著書は学校のあり方を変えることについても述べていました。

自分が学生だったとき、Fラン大学への普通科進学高校に進んで、浪人や大学進学しないで卒業する人を見ると、この高校3年間で得た武器がしょぼく感じて危機感を覚えた記憶があります。

また自分は理系の落ちこぼれだったので、大学に入って勉強は継続していました。

新卒で入った会社の同期で、文系大学出身の話を聞くとバイト三昧で、今の会社より給料が良いといった話を聞きました。

大学の文系でバイト三昧するなら、大学入る意味ないのでは?と思ったものです。

また自分の中では仕事をして感じたのは、Fラン理系の大学<高専出身者という序列があったような感じがして、実際高専出身者の仕事っぷりは大卒の人を凌駕していました。

著者もこの高専について述べていて、このよう職業専門学校を充実させて、大学のサロン化はやめるべきと提言しています。

日本にいると、生活、マインド、お金などのボラティリティが高すぎて、並の人がこの波に飲まれると、容易に脱出できない現状がわかります。

まとめ

グローバル企業に勤めるのは、その国のトップ数%の人が勝負に出て戦えば良い。

そこで敗れたもしくは、勤められない人はローカル経済圏に腰を降ろして、国力を上げるために精進する。

そのためには学び続ける姿勢が大事で、高校以降の学習が重要で、早いうちに専門知識をつけるため高専のような学校に行くことが大事だと著者は述べています。

本書は主に経営者向けに書かれていますが、マクロ経済的に自分の置かれている状況を確認して、どのような対策をするべきなのかを考え直すのにも良い本だと思います。

ご参考になれば幸いです。

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