サイゼリヤの経営術を赤裸々に語った本
堀埜一成著「サイゼリヤ元社長が教える 年間客数2億人の経営術」を読みました。
結構現場で働いている人の自由度が高く、文面を読むと働きやすそうな職場であるようですが、堀埜社長が就任したときは赤字で、生産管理をやっていた堀埜社長が色々商品単価を上げないで、利益を出す過程を書いた本です。
据え置きした価格から原価にかかるお金を引き算して、利益をどんどん出していこうという考え方でサイゼリヤは再スタートを切ったということです。
お客が満足している価格から逆算してコスト維持を図る
堀埜社長は、味の素で生産管理の仕事をしていたため、社長に就任してから色々原価にかかる費用をカットするため、食品の内製化、店舗利益の最大化をするための店の構成、宣伝広告費のカットなどいろいろ施策を施しています。
先代から続いている商品の単価を上げないで、以下に経費をカットするか上記の施策は一部ですが、本書ではお客が逃げない価格設定で、経費を徹底的に減らす逆算戦術は飲食店としては珍しい部類に入ると思います。
店舗の構成や食品の内製化もしているため、設備投資もかなりのものになると思いますが、それでうまくコストカットを成功させているのは飲食店に限らず、勉強になるところは多いです。
マネジメントにも色々工夫を凝らしている
マネジメントも色々工夫をされているようで、傲慢にならないような人材をうまくマネジメント層に昇進させるように、工夫をされています。
どうしてもマネジメントをすると、上下関係ができて偉くなった気になる人が多い中、教育と選別をうまく行い、生産管理の人らしくうまく回しているなと思います。
そのためにもどういったケースになれば、傲慢なマネジメント層が作られないか、研究に研究を重ねており、人の管理のうまさは恐れ入るほどです。
まとめ
堀埜社長就任後、社長が行った施策について簡単に述べました。
お客満足度を下げないため、価格は据え置きで原価で押さえられるところは徹底して見直し、ときには大金を投入、内製化などして、商品や味、衛生面などの質を向上させています。
人の管理面もしっかりしていて、日本の大手企業が大体失敗するマネジメントの育成方法についても言及していて、うまい仕組みをトライ・アンド・エラーでやってここまで回せてきたことは色々勉強になります。
この本は経営本ですが、学術書のように堅苦しくなくサクサク読み進められます。
内容も平易で読みやすいです。
ご参考になれば幸いです。
コメント