【書評】「心の病」の脳科学

書評
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最先端の心的病理を科学的に解明する

本書は専門学的見地から心の病を解明した本になります。

そのためライトな内容を期待している人は、肩透かしを喰らう可能性があるのでご注意ください。

結論はまだまだ未知なところが多い脳について、ここまで解析が進んでいるということを、色々な病名(うつ病、躁うつ病など)に対して個別に研究成果の概要を述べています。

仮説の部分が多いですが、このスピードだと心的弱者が薬や手術で健常者になるのはそう遠くないかもしれません。

しかし常識的にいえば、科学者はこのような病気をなくして不幸な人をなくしたいと思っているかもしれませんが、世論のゲスさを知っている筆者は「そんなことして大丈夫なのか?」と思うところがいくつかあります。

本書では言われていない、世論と科学の進歩について少しお話したいと思います。

前提として心の病が治ると、みんなが幸せになれると医療関係者は思うのか?

そもそも、前提として心の病が治ると、幸せな人が増えると思っているのか?ということです。

経営者の本や、世論の声など社会心理学など多方面で世の中を見てみると、仕事をしていて鬱になりそう→じゃあ手術で無理やり治しましょう→奴隷労働、パワハラしてもこれで誰も文句は言えない。

なんて世界が来るのがはっきりわかります。

昔こういった話をいくつかの漫画で読んだことがありますが、心を無理やり健常者に持って行って、特攻隊のような人を作り出す側の人間は総じて知能が高いです。

こういった負の側面に目を瞑って、医学を発展させるのは少し恐ろしい気がします。

専門的な話だが解消されると別の問題も

確かに心理的弱者の中で、人間の頂点側に行って活躍する人もいることは想定できます。

ただその反面おそらく6割程度の人は、イカれた経営者のもとでいくら酷い労働をしても、パワハラしても医療が無理やり前向きにさせる保険を作ってくれたので、人道的に酷いことをしても問題ないといってその被害者になることは、今でさえそうなのだから医療が発展させられるのは、逆に怖いと思うのは自分の考えすぎでしょうか。

つまり心理的なものが解消されても、今度は知能面で脳を科学するのか?と考えてしまいます。

またたとえそれが解消されたとしても、自然淘汰の波にその種族が全員生き残った例はありません。

不安視しすぎかもしれませんが、大体大きく稼ぐ経営者の元で働くということは、上記のようなことは十分起こり得ることを覚悟して働かないといけないし、質がもっと低い経営者に至ってはそれより酷い環境が待ち受けています。

それでも鬱になることを許されないで、働けますか?

まとめ

心の病について、科学的には大発展を遂げていることを述べました。

しかしその陽の面とは逆に、陰の面がどうしてもちらついて見えるのです。

人間鬱になることを無理やり、向精神状態に手術するとどうなるのか?

それが社会全体に浸透するとどうなるのか?

マクロな視点で自分は見てしまいました。

少し内容としては難しい本なので、ライトな本が読みたい人は別の本をおすすめします。

ご参考になれば幸いです。

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